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 メールマガジン 中小企業経営者のための、インターネット活用Q&A

        2001/11/13(第2・第4火曜日発行) 702 部

 第15回 ある大手家電量販店に見る、情報の滞り
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□ ご挨拶
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みなさま、こんにちは。
ご購読いただきまして誠にありがとうございます。
初めてのみなさま、数あるメルマガの中から選んでくださり、ありがとうござ
います。

このメルマガは、インターネットをビジネスに活用する際に直面するさまざま
な問題とその解決策について、質問に答える形で提案していきます。


■
□ 今回は趣をかえて
■

先月のある日曜の夜、テレビの総合情報番組を観ていたら、9月中旬、東京の
新宿駅近くにオープンした大手家電量販店の、開店準備から開店直後までの様
子を、店長にスポットを当てながら紹介していました。
(短いドキュメンタリーって感じでしょうか)

そのコーナーが、どういった意図のもとに放送されたかは解りませんが、少な
くとも私は、「大手家電量販店でさえこんな情報レベル?」というマイナス面
だけが目に付きました。

そこで今回は、いつもの形式とは異なり、しかもインターネットに関係ありま
せんが、その番組から感じたことと、他の多くの企業が共通して抱えている
「情報の滞り」の問題について、お話したいと思います。

<註>
みなさまご存知のように、テレビ番組は限られた時間内で放送されるため、そ
れだけで取材対象(企業)の全てを伝えきっているわけではありません。
今回は、あくまでもその短い番組を観て感じたことに基づいておりますので、
くれぐれも「これがその家電量販店の全て」と思われないようご注意願います。


□
■ 番組概要
□

九州に本社がある大手家電量販店が、新宿に大型店を開店することになった。
主人公は、その店長。

新宿は、大手家電量販店がひしめく大激戦区。そこに新規参入するのだから、
社運を賭けているといっても過言では無い。
どうやって他社と差別化するか?品揃えの中心は何か?オープンセールではど
んなことを仕掛けるか?
陣頭指揮を執る店長の仕事は尽きない。

開店前のある日、問題発生。値札が間違っている!しかも半分以上。
「何やってるんだ?」
支店の部下に店長が激しく問い正す。

値札は本社で印刷されたもの。その際、本社の印刷担当者が慣れていなくて、
何らかのミスをしたらしい。

「間に合うのか?」
支店の部下は困惑した表情で
「再印刷し、〇日の飛行機に載せますので、〇日までには届きます。」
と答える。

それでも店長の怒りはおさまらず、
「本当に間に合うんだろうな!?」

数日後。新しい値札は何とか間に合い、付け替えも完了。
無事オープンを迎える。

オープン初日。客足は良い。
しばらくしてテレビのスタッフが店長に聞く。
「売上目標は達成できそうですか?」
店長はおもむろに電卓をたたき、しばらくして笑顔で言う。
「達成できそうです。」


□
■ 値札のミスはなぜ起きる?
□

まず最初に疑問に思ったのは、なぜ値札を支店の現場でなく、本社で印刷して
いるかという点。

価格は、全店舗共通だから?

 ⇒ 他の支店はともかく、ここは新規開店。
   いくらなんでもそれは考えられない。

値決めは重要戦略事項なので。常に本社で決定しているから?

 ⇒ そうかもしれない。
   でも、別に本社で印刷する必要は無いはず。本社からデータを送って
   もらって支店で印刷すればいいのだから。

値札は高価な機械で印刷していて、その機械は本社にしか無いから?

 ⇒ だとしたら、その価格情報は誰が決めたのか。
   支店が決めて本社に情報を送ったとすれば、そのとき何らかのチェック
   がされなかったのだろうか?
   それに、支店の人は「本社印刷担当のミス」と言っていた。

そして、なぜ印刷ミスが起こったのか?

印刷担当者がボタンを押し間違えて、別の支店の値札を印刷してしまった?

 ⇒ 新規開店ということであれば、印刷枚数も格段に違うはず。
   いくらなんでも途中で気が付くと思うのだが。

印刷担当者の場所と印刷物が刷り上る場所が離れていて、気が付かなかった?

 ⇒ だとしたら、印刷担当者の場所で「新宿店印刷中」という情報がすぐに
   確認できる何らかの仕組みが必要なのでは?


□
■ 情報がどこかで滞っている典型的な例
□

どう推測してみても、上記のトラブルの原因は、どこかで情報が滞っていて、
関係者全員にうまく伝わっていなかったせいとしか考えられません。

だとしたら店長の怒りの矛先は、支店の部下ではなく、その「仕組み」自体に
向けられるべき。
「仕組み」に問題があったとしたら、再発の危険性は極めて高いのですから、
部下を怒鳴り散らしている場合ではありません。

情報が滞った場所を突き止め、スムーズに流れるよう改良する。
それが人的問題ならば、なんらかのチェック体制を強化する。
できればそれも、たくさんの人間で相互監視するのではなく、ITを使って。

何度も値札を飛行機で送り、イライラしながら何度も値札を付け替える。
そのコストに較べれば、情報の流れをスムーズにするIT投資など、安いもの
ではないでしょうか?

大手でさえ、このような状況。
みなさんの会社では、いかがでしょうか?
「どこかで情報が滞っていないか?」
ということを、常に意識しましょう。


□
■ その日の売上高を調べるのに、なぜ電卓をたたく?
□

最後は笑い話。

テレビのスタッフが店長に「売上目標は達成できそうですか?」と尋ねたと
き、店長は自分の席に座っていました。
机の上には大きなパソコンが鎮座。
店舗数500を超える大手企業、しかもパソコンを扱っているお店ですから、
当然売上データもパソコンで簡単に見られるはず。

それなのに、なぜ店長はパソコンのキーボードやマウスには一切触れず、その
脇に置いてあった電卓をたたいてから「達成できそうです」と答えたのか?

演技かなあ?


□
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□

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